ブロックチェーン技術を使った音楽配信の将来性とは?

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仮想通貨の取引においてその根幹をなす技術であるブロックチェーンですが、金融系のビジネスだけでなく、その他のビジネスや公共サービスの構造も変化させる可能性を持っているということで話題になっています。

そのブロックチェーン技術を音楽配信などを手掛けている音楽業界にどんな影響を与えるのかを紹介します。

1. ブロックチェーン技術を使った音楽配信とは?

ブロックチェーン上で音楽をリリースしたり、著作権の管理、コンサートチケットの販売・購入・管理が行なえます。

過去に行われた実例では、Ujo Music社が、2015年にイモージェン・ヒープというグラミー賞受賞アーティストのシングル”Tiny Human”をイーサリアムのブロックチェーン上でリリースしました。

1-1. ブロックチェーンを通じた音楽配信プラットホーム

音楽配信にもブロックチェーン技術を用いることで、アーティストや著作権保有者、またファンにも、もっと益をもたらす新しいシステムを構築できると考えられています。
すでに、ブロックチェーンを通じた音楽配信プラットフォームを提供している”ZIMRII Music”というのがオーストラリアのシドニーにあります。

他にもブロックチェーン上での音楽配信を行なっている、あるいは行う計画のある企業があり、さらに増えることが予想されます。
次に、ブロックチェーンを通じた音楽配信のプラットフォームにはどんなメリットやデメリットがあるのか推察していきます。

1-2. ブロックチェーンを使った音楽配信のメリット

ブロックチェーン上で音楽配信することにはアーティスト、それを支えるファンそれぞれにメリットがあります。ブロックチェーンの持つ強みと共にそうした点を4つ紹介します。

①スマートコントラクトによるアーティストへのメリット
既存の音楽業界では、アーティストはレコードレーベル、マネジメント事務所に所属し、著作権の管理は管理団体が行うというのが一般的です。新しくリリースた楽曲の宣伝や流通販売に関しても中間業者の存在は必須となっています。

これら、中間業者に支払う費用を引かれた分がアーティストへの報酬となっていました。またアーティストが、中間業者への手数料どれくらいなのかを把握することも難しいという状況があります。

しかし、ブロックチェーンを使ったプラットフォーム上で音楽を配信するときには、作詞・作曲・演奏・著作権保有者などのデータを一緒に記録します。そこに収益の分配方法や特殊条件、例えば再生回数に応じた利用料なども追加できます。

こうして、事務所、著作権団体、PR会社などの中間業者が存在せず、アーティストやバンド自身が、ブロックチェーン上の販売実績や利用履歴を閲覧できるので、自分の楽曲の価値に応じた正当な報酬を知ることができ、それをすぐに受け取ることができるようになるというメリットが生まれます。

取引実績をアーティスト自身が閲覧でき、中間業者を挟まずにファンや楽曲利用者と直接つながる機会が生まれるので、そうした方法で得られた情報は、アーティストの今後の音楽活動にも役立たせることができます。

②権利申請の簡略化・楽曲使用ルールの明確化
音楽データをプラットフォーム上にアップするのと同時に、その楽曲使用に関するルールを記録できます。そうすることで、利用者もすぐに、著作権保有者が誰なのか、楽曲の使用ルールはどのようなものかを知ることができます。
それにより、著作権保有者の権利や対価も保護されるというメリットが生まれます。

③ファンがアーティストを直接支援できる
Tokun FM”というプラットフォームは、ファンとアーティストを直接結び付けるプラットフォームを提供しています。このプラットフォームのトークンを保有しているファンは、アーティストのアルバムの所有権、つまり収集や販売、レンタル、再利用に関する権利を入手出来たり、ライブチケットやグッズの先行販売権を入手出来たり、アーティストとライブチャット出来るという特典が入手できます。ブロックチェーン上でファンとアーティストが直接つながり、ファンが特定のアーティストを応援したリ、育てたりすることができるというメリットがあります。

④ライブ・コンサートのチケット販売の適正化
音楽業界では、人気アーティストのライブチケットの転売や偽チケットが問題になっています。しかしブロックチェーンの技術を利用すれば、だれがチケットを購入したか分かります。コンサート会場の入場の時に、購入者の情報と比較し、訂正なルートでの購入者かどうか判断することも可能です。

転売により高騰した価格ではなく、正当な価格を支払ってライブを見に行けるので、ファンにとってもメリットがあります。
さらにアーティスト自身が、ブロックチェーン上でライブチケットを販売するということも可能です。そうすればブロックチェーン上での音楽配信と同じで、中間業者を挟まないので、売れ行きをアーティスト自らが把握したリ、中間業者への手数料を削減したりできます。

1-3. ブロックチェーンを活用した音楽配信のデメリットや課題

アーティスト、ファン、楽曲利用者にとってよりベストな環境を提供してくれる予感がするブロックチェーン上での音楽配信ですが、克服しなければならない課題やデメリットもあります。

①コイン利用の認知度・信頼度の低さ
先ほど紹介したように、Ujo Music社は過去にイモージェン・ヒープというグラミー賞受賞アーティストのシングル”Tiny Human”をイーサリアムのブロックチェーン上でリリースしました。
しかし購入に必要なイーサの入手方法を知らなかった人が多かったことがあり、結局は222枚しか売れず、133ドルの収益しかありませんでした。

それから、数年が経過していますが、音楽を楽しむ幅広い世代の人たちが、仮想通貨を利用し、利用しているサービスに必要なトークンをデジタルウォレゥットで管理するというところにまでは、まだ到達していません。
ブロックチェーン上での音楽配信が、楽曲リリースのスタンダードとなるには、トークンの利用やウォレットでの管理が一般に広く利用されるのを待つ必要があるというデメリットがあります。

②既存のプラットフォームとの競争
音楽だけでなく映像コンテンツも購入できる”iTunes Store”や”Googl Play”などは、利用者からすれば、音楽も映像も一緒に探せるので便利、決算方法も簡単というメリットがあります。同じように”YouTube”も映像、音楽を同じプラットフォームで楽しめます。
ブロックチェーンを利用した音楽や映像コンテンツの配信は、利用者を獲得するために、こうした強力なライバルとはまた違う魅力や特徴を明確に打ち出していくことが大きな課題となります。

2. ブロックチェーン技術が音楽業界に与える影響

ブロックチェーン技術は、これまであった音楽業界のアーティストと事務所との契約内容の透明度や信頼性を高めることを可能にします。またアーティストが正当な収入を、より早く受け取れる環境を創り出します。また著作権保有者を明確にし、その権利が守られるようにします。

中間業者の存在を排除していくことで、抵コスト化を可能にもします。
ファンと直接やり取りできるプラットフォームも提供できます。
こうした可能性を考える時に、ブロックチェーンの技術が、音楽業界の仕組みを変革し、アーティストがファンのことをより考えた創作活動に専念できる環境が生み出されるということを想像することができます。

3. まとめ

ブロックチェーンの技術が音楽配信に利用されることで、音楽業界の仕組みにどんな影響を与えるんか考えてきました。アーティスト、ファン双方に満足をもたらす音楽を楽しむための新たな環境が生まれる可能性を秘めています。

しかし、ファンやユーザーがコインの利用やウォレットでの管理を日常化させる、既存の音楽・映像配信サービスとの競争など、越えなければならない課題があるのも事実です。
とはいえ、ブロックチェーンの技術は、音楽業界以外の産業・業界のこれまでの仕組みを変える力を秘めていますので、新しいプラットフォームの誕生やその利用方法に関するニュースからは目が離せない状況が続くでしょう。

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